―梨乃Side―




「梨乃、まだ?」



「ちょっと待ってー」





あとまつ毛をビューラーでカールさせたら……。



よしっできた!


最後に鏡で全身をチェックしてから部屋を出る。





「おわっ。
何でドアの前にいるの」




ドアを勢いよく開けると、ドンッて大きい音がしたかと思ったら、目の前には頭を押さえた春輝がいた。




しかも部屋の前で待つって何事。


リビングで待っていたら良かったのに。




そう思いながら春輝の手をどけて、おでこを見ようとする。