すると、ずっと静かで動かなかった梨乃ちゃんがもごもごしだす。
「か、加藤」
「何?」
「そろそろ離して」
俺の肩に手を置く梨乃ちゃん。
俺はまだこうやってたいけど、さっき無理やりキスをしちゃった手前、嫌とは言えない。
梨乃ちゃんは俺を責めなかったんだから、ここは我慢しよう。
そう決めて、梨乃ちゃんから体を離す。
抱き合うだけでこんなにドキドキしたのは初めてだ。
それだけで十分と思えたのも初めてだ。
女の子は体だけだと思っていたけど、そんなことはない。
「梨乃ちゃん、ありがと。
落ち着いた……」
メニュー
メニュー
この作品の感想を3つまで選択できます。
読み込み中…