「引き出しの中に手紙が入っていると思うの。隆眞と裕紀へのだけ20歳になったとき…」

「わかった。わかったよ。」

だんだん記憶が遠のいて行く。
もう死ぬんだね。

「ありがとう。2人の子供でよかったよ。」

涙が溢れた。
そして目を瞑った。

「残念ですが14時32分。ご臨終です。」

玉田先生の声が静かな病室に響いた。