貴方は過去の人





 けれど今は、今の私は違う。高校生じゃない。子供みたいな優也を受け止めるだけの包容力もなければ、彼を頼りに出来なかったししなかった私とは、違う。


 昔のこと。
 もう、過去。
 好き、だったと。


 何か話そうとする優也をよそに、私は話すことはなかった。連絡を取り合っていたわけではない。あの浮気していた子とどうなったのか気にならないというわけではなかったが、今さらどうでもよかった。

 優也より、私は私。幸せは願うけど、まずは私が幸せになりたかった。




「そうか…ああ、うん――――またな」




 懐かしい姿と、その人との想い出を私は思い起こされながらも、私はさよならと全ておいていくように背を向けた。




《貴方は過去の人となり》
 ――けれど、確かに好きだった私もいる。




2015/10/8