ガタガタという物音は段々と大きくなっていき、そのうち、ミシ、ミシ…という足音に変わった。


「やだ、なんか来るっ!」


震える綾が蒼空くんにしがみついた。


ミシ、ミシ、ミシ……。


近付いて来る、恐怖。


ミシ…


足音が、パタリと止んだ。


「止まった...」


「はぁ……」


皆がホッと出来たのも、束の間だった。


カチコチカチコチ!!


「!!」


「ぎゃーっ!」


背後からの気配を感じ、振り返ると…


「……嫌ぁっ」


あたしは、思わず尻餅を付いた。


骨格標本の黒い穴のような目が、あたし達を見つめていて、カチコチと歯を鳴らしていた。