健都の言葉で励まされると同時に、自分が情けなくなった。


あたし、1人でウジウジして、何やってんだか。


元々、言い出しっぺはあたしなのに。


皆を巻き込んだのは、あたしなのに。


ホント、情けない。


「さ、着いたよ」


健都に促され前を見ると、理科室の前。


次は確か、理科室に潜む何かを追及して呪いを解くってやつだったような。


「じゃ、行くぞ」


健都が扉に手を掛けた。


健都は、すごいね。


自分だって、怖い筈なのに。


ガラガラと、健都が扉を開けた。


薄暗い室内には、誰かがいるような気配は無かった。


「誰もいないね」


綾が辺りをキョロキョロと見渡す。


「綾、気を付けろよ?」