「ゆ、結愛……」


殴ったのは、結愛だった。


あたし達を呪い殺そうとしたおかっぱを、結愛が素手で殴ったようだ。


おかっぱは、ピクリとも動かない。


助かった。


…筈、だった……。


結愛は、一瞬笑顔を浮かべた後、苦し気な表情をして倒れたおかっぱの上にゆっくりと倒れ込んだ。


「! 結愛!?」


「結愛、どうしたの!?」


「結愛、結愛っ!」


結愛は、目を閉じたままで、呼吸ももうしていなかった。


「そんな…… 結愛っ…!」


莉緒は、結愛の上に泣き崩れた。


下にいたおかっぱは、いつの間にか消えていた。


呪いが、解けたんだと思う。


もしかして、これ…!