そして、テルと夏の唇が重なった。


もうテルは、夏の物なんだ…。


怒りたくても、怒って怒鳴り散らしても、2人には伝わらない。


何かしら言いたくても、2人には何も聞こえない。


テルをビンタしたくても、身体に触れられない。


あたしは、もう死んだのだから。


半透明になった自分の身体を、あたしは睨み付けた。


許せない。


テルも、夏も。


彼氏と親友に酷く裏切られ、恋と友情を一気に失い、更には彼氏に殺された。


あたしの人生は、一瞬にして消えた。


許せない、ユルセナイ。


アイツらの人生、台無しにしてやる…。


そう思ったが、あたしの復讐は達成されぬまま、2人は高校を卒業し、もう来なくなってしまった。