続・顔で選ぶんじゃねぇー‼︎




『俺は、アニソンとか関係なく…
花奈さんの歌が好きなんで…』



『なんだよ、それ〜
マジで照れるからやめろ〜』






花奈さんは、KANAMEの言葉を冗談だと思ったらしく…

KANAMEの言葉を軽く流していた






『あっ、そうだ
お前もいるか?

俺、今度ライブするんだけど…
チケットいる?』





『……っ…い、いります!
すげぇ欲しいです!』





『おぉ……

お前がそこまで俺のライブ観に来てくれるなんて思わなかったよ


半分冗談で言ったつもりだったんだけどな…?』






『観に行きますよ…
花奈さんのライブなら…』







KANAMEは意味深な言葉を花奈さんに伝えたが、花奈さんはKANAMEの言葉の意味を全く理解していないみたいだった


花奈さんは、意外に鈍感だからな…






『待って待ってぇ〜!!
仲間外れしないでちょ!

僕ちんも行きた〜い!』




「お前、花奈さんのライブ興味ないだろ」




『あるある!あるよぉ〜ん!
花奈さんの生歌聴きた〜いん!』




『じゃあ、やるよ
俺はみんな観に来てくれるなら、嬉しいからよ!』






花奈さんは、HAJIMEにもチケットを渡した




こんなヤツに渡さなくていいのに…

花奈さんもホント、イイ人だよな…






『あっ、そうだ!
お前ら、すまねぇな

健斗のヤツが色々迷惑かけてるみたいで…

特に、総夜…

マジ、すまねぇ』






「い、いいえ!
俺も悪かったですから…!」






花奈さんが俺に頭を下げて謝ってきて

俺は花奈さんの肩を掴んで上へ向かせて
謝ってくるのを止めた







『アイツ、好きなことには熱中するからよ…

余程、ソウじゃなくて…
総夜を撮りたかったんだろうな…


でも、あれは総夜の気持ちを理解していない健斗が悪いし

マジですまん!!



健斗の妻として、申し訳ねぇよ』








「だから、俺も悪かったですから!

頭上げてください!」








花奈さんは……

歌手やモデルをしながらも
健斗と結婚している


俺と同様…

花奈さんは、健斗にスカウトされ
俺と同じ半ば無理矢理、写真を撮られ

そこからモデルデビューした



健斗以外は、みんな花奈さんを男だと思い込んでいて…

花奈さんも男でいいと思い、男だと偽り続けた



そして花奈さんが歌手になり
そこそこ売れてきた頃に、健斗が花奈さんに告白し結婚した


そのときに花奈さんが女だと世間に話題になり、世間は花奈さんの存在を知り
花奈さんのファンが増え、曲もバンバン出された


花奈さんは、元から実力があったので
世間に知られなくても、絶対に今の地位までいけたと俺は思う