『あ、あの……
そ、それで共演の方は……

MISSの皆さんで…』



「はあぁぁぁあ…っ!?」




なんで、またアイツらなんだよ!!

社長のヤツ、どんだけ俺を苦しめれば気が済むんだよ!!




『お、お願いします!ソウさん…っ!
引き受けてください…っ!!

じゃないと俺…
社長にクビにされちゃいます…っうぅ』




「引っ付くな!」




徹平は俺に懇願するように、俺の足に抱きついて涙を流しながら言ってきた


俺はそんな徹平を気持ち悪いと思いながら徹平の頭を押し離れさせようとしたが…

強い力で俺の足を抱えているから、あまり押すと俺がバランスを崩して倒れてしまうので止めた





『助けてくださいよ、ソウさん…っ!
社長は酷すぎます!

俺、一生懸命頑張っているのにぃ…
ソウがこれを受けなかったら、お前をクビにする…とか言うんですよ…っ!?


俺、ソウさんからもいじめられ
社長からもいじめられ…

どうすればいいんですかぁ…!』




「知るか」





『うぇぇ…っ…酷すぎます!!

ソウさぁん!!』




「徹平がクビになろうが俺は知らないが…
社長に逆らうと何されるか分からねぇからな…

クソっ!!引き受けるしかねぇじゃねぇか!!」






選択肢なんて俺にはない

社長はそれを分かってて、引き受けたんだからな…





『あ、ありがとうございますぅ…っ

ソウさん…っ…大好きです…!』




「キモい

早く離れろ」






徹平は俺が徹平を助けるために引き受けたと思い込んでいる


俺はそんな良い人じゃねぇのに…

コイツは俺を良い人だと勘違いしている



あっ…

ヤベェな…


ユリに連絡しないと…

俺が総夜だとバレるかもしれないって…





『あっ、そうでした…

このドラマのヒロイン役の人…


花奈さんです』




「なっ…!は、花奈さん…っ!?」




『はい。

社長がもし、ソウが引き受けなかったら
これを言えって言ってたんですけど…


どうしてですか…?』





「………」






クソっ!

社長は花奈さんがヒロインだと知って
俺を引き受けさせたんだな…


花奈さんがいるなら、俺は絶対に断らないと知っているから……