「空、着いたよ。」

考えている間に駅までたどり着いていたようだった。

「あ、ほんとだ!

送ってくれて、ありがと。」

そう言うと、

「あのさ、俺、やっぱ空のこと好きだから。

今まで通りでいてくれていいけど、もしその気になったら、いつでも返事ちょうだいね。」

私の方をまっすぐと見て、

真剣な表情でそう告げると、

じゃ!とまた優しい笑顔で手を振って出口へと向かっていった。


私ってば、何してるんだろう。

大空にも壮一にも中途半端で、このままがいいと思っている。

なにも、変わりたくないと思っている。

でも、もう変化しないことなんて無理だ。

壊れることを覚悟で、みんな進もうとしている。

私だけ立ち止まっていても、もう変化はし続けるんだ。


するとその時、ちょうど雨が降り始めた。

なんて丁度いいタイミングなんだろうかと思った。