本当は、いるけれど。

誰にも言ったことはないけれど。

本当は、咲子のお兄さんが好き。

優馬さん。

優馬さんは、私のことも家族のように慕ってくれた。

咲子と喧嘩をした時も、悩みがある時も、強がっている時も、いつも優馬さんだけは見抜いていた。

―――私の恋心以外。


「あー、桜の彼氏になれる人とか少なそうだもんねー。」

そう、そういうキャラ。

でも、私はそんなたいした人間じゃない。

男子だって最初は色々言ってくるけれど、結局ミーハー、本気で好きになられたことなんて一度もない。