高校は違うところに行こうと思っていた。

それなのに。

やはり今日も教室には大空がいる。

これはどういうことか。そういうことだ。

「あんたねぇ、もう五月よ?まだそんな事言ってるの?」

ひと月経てば消えるような悲しみなんかではない。

「だって、わざわざ家から一時間半もかかる高校選んだのに!」

電車に揺られて一時間、その前後に30分、片道一時間半の道を、今日も大空と一緒にやってきた。

あいつから離れるために選んだのに、なぜか一緒に登校する始末である。

「んー、これもなんかの運命じゃないかな?」

咲子は相変わらずまたホワホワとお花を飛ばしていた。