そんなある日。

『空さんへ。放課後、西棟二階の多目的室で待っています。』

朝、下駄箱を開けると、ルーズリーフを四等分したような紙に、可愛げのない字で書かれていた。

またかぁ。

しかも今度はわざわざ手紙で呼び出し。

もう本当にいい加減にして欲しい。

しかしまぁ、男らしい字を書く子だなぁ。

また今日も大空にきつく当たったのは言うまでもなかった。

「なんであんたのせいで放課後まで奪われなきゃなんないのよ!」

「はぁ!?俺何もしてねぇじゃん!」

「そうよ、存在してるだけで迷惑かかってんのよ!」

「うわっ!ひっど!僕泣いちゃう!」

そう言ってまたおどけている。

人の苦労をなんだと思って...。

しかし恋する乙女に罪はない。

名前を書いていなかったから、事前に断ることも出来ないしね。

今日の体育のバレーは、ストレス発散には最適で、異様に調子が良かった。