「違う!俺らは咲子に彼氏ができたんじゃないかと...!」

「おやまぁ、賑やかだね。この子達、咲子と桜ちゃんのお友達?」

初めて聞く声に顔を上げると、そこには見慣れない、端正な顔立ち。

ネクタイの色から、三年生だとわかる。

「あれれ?みんなどうしたの?」

咲子がその後ろからひょっこりと現れた。

「こんにちは、優馬さん。」

桜がぺこりとお辞儀をするのに遅れて、慌ただしく三人もぺこぺこと頭を下げた。

「あの、いつからお付き合いを!?!?」

電球が思い切ったようにそう聞くと、

「ぶっははは!!そんなんじゃないよ〜。」

ツボに入ったらしい、まだ肩が小刻みに揺れている優馬先輩。

「えぇ、みんなそれでここに集合なの?この人、あたしのお兄ちゃんだよぉ。」

俺は咲子の尾行とは少し違うけど...。

よく見ると、咲子に似ている。

優しそうな目のあたりとか、通った鼻筋とか、そこらへんが。

「賑やかな友達ができて良かったな、咲子。」

「うん!」

そう言ってニコニコする様子もそっくりで、いつもの二倍、お花が飛んでいた。