教室に戻って席につくなり、

「咲子って彼氏いる?」

電球にも聞こえるようにわざとらしく聞いてみた。

「え?いないよぉ。」

この様子は、本当にいなそうだ。

「だよねー。あ、桜もいないよね?」

カモフラージュのために一応聞いてみた。

「なんであたしはいないこと確定なわけよ!?」

「んじゃいるの?」

「...いないけど。」

そういった瞬間、教室の男子の群れが少しざわついた。

まったくもう。

あんたらに桜なんか渡さないもんねー!

心の中であっかんべーしてやった。