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1人ブランコに揺られながら、アイスを食べる。

きぃ、きぃ、と、虚しく軋む音だけが酷く耳に残る。

「はぁ。」

さっきのことを思い出す。




「大空!」



そう声をかけるのに、バスケ部のマネージャーと声がかぶった。

そして、私をちらりと見たその子は、すぐに大空に駆け寄った。

私は、足が止まってただその背中を見送った。

マネージャーだからだろうか、それとも......

そんなことを考えていると、

「こーにちゃんっ」

そう言って背中を叩いたのは、羽山くんだった。

羽山くんは隣のブランコに座り、持っていた赤い缶を開けた。

プシュッと威勢のいい音がして、ごきゅごきゅと豪快に飲み出す。

ぷはー!っと、風呂上りの牛乳のような飲みっぷりだ。

「で、何があったの?」

私の方は見ずに、優しい口調で問いかけてきた。