「端的に言う。うちの部は甘くない。だから、お前を選手として使うことはできない。」

席について、監督は俺にそう告げた。

わかっていた。

しかし、いざ言葉として、のしかかってきたそれは、今の俺には重すぎた。

「.... . はい。」

そう答えるのがやっとだった。

「ただな、俺はお前のバスケのセンス、このままじゃもったいないと感じている。」

なんだ、せめてもの慰めか?

もうバスケはできないのだから、きっぱりすっぱり切って欲しかった。

同情など、苦しいだけだ。

「お前、海外行かないか?」

気づけばずっとうつむいていた顔が、ぱっと上がった。

「どう、いう...」

どういうことですか。

困惑した、しかし、希望の光が差したような、不思議な感覚だった。