ソラは今日も喧嘩中

次の日も、大空は至って普通だった。

「こーにちゃんっ」

「なに?」

背後からつんつんしてくる大空に、背を向けたまま返事をする。

すると、いきなり大きな影が近づいて、耳元に大空の顔がやってきたのを感じると、


「好き。」


そう言って、すとんとまた席についた。

「あっそ!」

そう返したけれど、後ろでニヤついているのは見なくてもわかる。

「耳まで真っ赤だよ?」


あーもう!ずるいよ!

こっちがモヤモヤしてるのも知らないでさ。

そう思って不意に後ろを向くと、


ほんの一瞬、切なそうな大空の表情を見た。


それから、またいつもの無邪気な笑顔で、

「やっとこっち向いた。」

と嬉しそう。


「ねぇ大空、全部言って?」


私が耐えられなかった。

もしかしたら、大空にもっと辛い思いをさせるかもしれない。

それでも、このままで隠し通せるわけがない。

きっこいつかどこかでこの日が来る。

ならば、今、少しでも早く。


それが、私の答えだった。