父がイライラして飲んで帰ってくる日が増えた 母は必死に機嫌をとろうとしている 子供の私でも何かを感じ取った 母の愛は父への対応にまわされ 父の笑顔は酷く濁った表情に変わった 私は毎日早く寝るふりをしてリビングの荒々しい声に耳をかたむけた 今日はいつ終わるかな… いつも目に涙をためて堪えた ―――亜海は頑張り屋さんね――― ―――亜海は本当に海が好きだな――― 「……ママ………パパ……………」 私は泣き続けた…… 私の涙が両親を繋ぎ止めてくれる 信じていた………