好きの代わりにサヨナラを《完》

お揃いのセーラー服の衣装を着たメンバーが、ステージに上がる前みたいに円になって立っている。

あたしはマネージャーの隣の空いているスペースに立った。



「美憂のことがあったばかりなのに……ごめんなさい……」

あたしはメンバーの顔を見ることができなかった。

床に向かって小さくつぶやいた。



「ほのか、どうして……？美憂がいなくなって、みんなで頑張ろうって約束したのに……ほのかまで、こんな……」

リーダーの涼夏はハラハラ涙を流していた。

今日は泣かないで謝ろうと思っていたのに、涼夏の涙を見て辛くなってしまった。



「snow mistはもうおしまいだよ……センターのほのかまで、こんなこと……」

「……ごめんなさい」

あたしは涙をこらえて、涼夏に頭を下げた。

「もうどうしたらいいのか、わからないよ……」

泣き続ける涼夏の肩を、長身のエレナが支えていた。



「ほのかさ、もうスキャンダル出さないように気をつけようってみんなで言ったよね」

涙で何も言えなくなった涼夏の気持ちを代弁するかのように、エレナはクールな視線をあたしに向けた。

あたしは伏し目がちにうなずいた。