好きの代わりにサヨナラを《完》

久しぶりに蒼に会える。

あたしは初めてテレビに出演した時と同じくらい気合を入れて洋服を選んでいた。



クローゼットから引っ張りだしたのは、白いスプリングニットとチェックのミニスカート。

地元にいたころはスカートなんてめったにはかなかったけど、短い衣装に慣れたせいか足を出すのに抵抗がなくなった。

中学に通っていた時はもちろんすっぴんだったけど、しっかりメイクもした。



鏡に写る自分は、ずいぶんアイドルらしくなっていた。
もう半年以上アイドルやってるんだから無理もない。

テレビに出る前みたいに、鏡に向かって軽く笑顔の練習をしてから寮を出た。