「……いい加減な気持ちで、いろんな子に声かけるのやめてください」

「へぇ……じゃあ、本気ならいいの?」

恭平は、ゆっくりあたしのほうへ歩いてくる。

あたしの前で立ち止まると、全身をなめるようにあたしを見た。



「あんた、勘違いしてない?

俺さ、無理矢理やったことなんか一度もない。みんなすっげぇ喜んでる」

背の高い恭平は少しかがんで、あたしと目の高さを合わせる。



「あんたもそうだろ?」

恭平の口元は、微かに笑っていた。