好きの代わりにサヨナラを《完》

「信じらんない。センターのくせに何やってんの?」

瑠菜は気だるそうに姿勢を崩して、あたしをにらんでいる。



「ほのか、ちょっと調子に乗りすぎじゃない?どんなに頑張っても最後列でほとんど映らないメンバーもいるんだよ。

ほのかはいいよね。何の苦労もなくセンターに選ばれて……」

みんなの視線があたしを責めている気がして、あたしはずっと下を向いていた。



「本当にごめんなさい……」

「マジやってらんないわ」

あたしの言葉を聞き終える前に、瑠菜はそう吐き捨てて向こうへ行ってしまった。

瑠菜に続いて、みんな散り散りに元の場所へ戻っていく。

あたしは一人、壁際に取り残されてしまった。