青空の魔法

アミノは網野冴子。

一応オレの彼女。


学校がどんなに男女交際禁止を掲げたところで、水面下でつきあってるやつらは結構多い。

オレ達もそんな中の一組だった。

ただオレらには、他のカップルとは絶対的に違う事情がある。

お互いに好きあってつきあってるわけじゃないってこと。


まぁ、事の成り行きとゆーか…

つまりアミノは、誰が相手でもよかったんだ。

あの日、たまたまアミノの横にいたのがオレだったから、オレ達はつきあうことになった。


そう、あれはこの春――

ちょうど高2に進級したばかりの頃だった。

帰りの電車でオレ達は偶然隣の席に乗り合わせたんだ。


『武見、何組になった?』

アミノに突然声をかけられて驚いたっけ…。


中等部に入学当初は同じクラスだったけど、その後クラスが離れてからは何の接点もなかったから。

アミノがオレを覚えてるなんて思ってもみなかった。


『S1』

不愛想にクラス名を告げると、アミノはやっぱ大げさな声をあげた。

『さっすが武見。昔っから頭よかったもんな~』なんて。


S1ってクラスは、うちの学校の理系最上位の組で、東大射程圏内のやつらがひしめいているんだ。