青空の魔法

「もう、いい」

アミノはすっくと立ちあがった。

オレが見あげると、ツーンと横を向く。


「武見のバ~カ」

ベーッと出した紅い舌。ピンクの頬。


アミノはいつも子供みたいだ。

訳のわかんないことで、すぐ拗ねる。

だって、オレ達そんな仲じゃねーだろーが。


「帰んの?」と聞いたら、

「残るよ」と言った。

「武見も残るんだろ? 自習室」

なんて、男友達みたいに聞いてくる。


「ああ」

うちの学校にはだだっ広い自習室があり、放課後そこで勉強してから帰るのが定番となっているんだ。


「じゃーね」

と、アミノはもう歩き出した。

スラリと長身の後ろ姿が、振り向かずに手だけヒラヒラさせている。