青空の魔法

『ずっと…何も聞かずにいくれて、本当にありがたかったんです』

おずおずとオレが礼を言うと、おばさんは柔らかな声でこう言った。

『ううん。青い顔してるから太陽の下で体を動かすのもいいかと思って、おせっかいしちゃったよね~。でも、おかげでこっちはとっても助かったの。ありがとうね、武見君』

『いえ、それはボクです。ありがとうございました。鍵とカードは明日冴子さんに返します』

『あ~あ、淋しいなぁ。また遊びに来てよね』

『ええ、必ず』

オレはそう約束して電話を切った。


それからキッチンへ行き、渡しそびれていたゴーヤをゴトンとテーブルに置く。

気づかず食器を洗っている母の背中に声をかけた。

「母さん、明日からまた弁当頼む」

母が驚いて振り向くのがわかったけれど、照れくさくて、オレはそのまま部屋へ戻った。