青空の魔法

帰る途中、偶然恭平と会った。

「わ、なんでズブ濡れなんスか、武見さん」

「ハハ、ちょっとな」

自転車にまたがったまま、立ち話をする。


「もうすぐラスボスのとこまで行くぞ」

オレが告げると恭平は顔を輝かせた。

「やった! 最後はボクも参戦しますからね」

「あ、だよな? 忘れてた」

「えー」

サエコとの冒険の旅があんまり楽しくて、そもそも恭平に協力するために始めたゲームだってことを、オレはすっかり忘れていた。


「けどあのゲームは最高だな、久々にハマったよ」

素直にそう認める。

「あっは、姉ちゃんのリクエスト通りでしょ?」

「ん?」

「あ、わかんないスよね、武見さんは」

そう言うと恭平はこんなことを教えてくれた。


「武見さんが初めてうちに遊びに来る前、姉ちゃんパニクッちゃって大変だったんです。

『友達が来るからゲームやらせろ』って。カッコ悪いからボクから誘うようにって言われました」

「へぇ」