青空の魔法

「いや、うちの母親はそーゆータイプじゃ…」

ないよ、と言いかけて言葉を飲んだ。


オレが気づかなかっただけかもしれない。

だとしたらあの人が黙っていることにも納得がいく。

大月さんの件は、母さんだって知っているはずだから…。


アミノはポーチを降りて、ゴーヤの実をひとつ、ブチッともぎった。


「はい、おみやげ。武見のお母さんに…」

「うん…」


青々としたその実は、手にずっしりと重かった。


「武見、明日も虹を作ろう」

「え?」

「虹だよ、虹」

アミノが明るい声を出す。


「あー、うん」

「絶対だよ」

「うん」

「約束だよ」


そんな子供みたいなことを誘って子供みたいにアミノは笑った。


青空のような笑顔で――。