青空の魔法

「じゃあ、これね」

おばさんはメモ用紙にサラサラとペンを走らせ、ピッとちぎってオレに渡した。

トマト、牛乳、洗剤などなど…。

メモにはずらりと食材&日用品が並び、その下にケータイ番号が書かれてある。

「わからないことがあったら電話して」

「はい」

「それと、支払いはこれで。レシートは必ずもらってきてね」

そう言いながらおばさんは、財布から現金ではなくクレジットカードを出し、オレなんかに預けたんだ。



そんな訳で、次の日からオレはアミノんちに自転車で通うことになった。

一駅しか離れていないから、自転車がちょうどいい。

駅近のスーパーで買い出した食料を積んで、ペダルを踏む。


夏。快晴。汗。風。

ギラギラ照りつける太陽の下、立ちこぎで坂道を一気に上るんだ。


初めはキツかった道のりも、3日もすればどうってことなくなった。