青空の魔法

会話は続いてんのに、オレの返事があいまいになったんだと思う。

不意にギュッと、アミノはオレの腕を掴んだ。

「え、なんだっけ?」

「駅に着いたよ、って言ったの」

「ああ…」

いつのまにか、もう駅前。


「約束だよ、武見。明日5時に絶対来てよね」

「うん」

「待ってるからっ」

「はは、そんなにゲームが楽しみ?」

あんまり何度も念を押すから、可愛くなって思わず笑った。

すると、アミノは戸惑ったようにオレを見て、それから「へへ」って舌を出した。


改札を抜けて振り向くと、アミノはまだ立ち止まってオレを見送っている。

「武見! 明日ね~!」

目が合うとピョンピョン跳ねて手を振り、眩しいくらいに笑った。