青空の魔法

「ねー、こうやって並んで歩くの初めてだ」

アミノが横でポツリと言った。

「あー」

学校では目立たないようにしてるし、放課後も日曜も、ずっと自習室だったからな、オレ。

「武見ってホント勉強好きだもんね」

「オレ?」

「将来、何になりたいの?」

「別に…ないよ」

父親や兄貴のように東大に入ることが自分の夢だと、親と教師に擦り込まれてここまで来たから。


「武見はあの人……知ってるの? 三年の大月さん」

遠慮がちになるアミノの声。


「自習室でいつも一緒だった。問題集くれたよ。しゃべったのは、そんときだけかな」

「そう」


「だけど…尊敬してた」