青空の魔法

「武見? ほら、ジュース」

目の前でカランとグラスの氷が鳴った。

その音で我に返る。


「あ、うん」

小さなテーブルに置きっぱだったグラスを、アミノが手渡してくれた。

のぞき込むような黒い瞳が、すぐに離れて向きを変える。


「バカ、逃げろ、恭平!」

突然、テレビに向かって叫ぶアミノ。

ワイド画面の中では、恭平がボスキャラチックな怪物と死闘を繰り広げていた。


「もぉ! へったくそ、早くしないとやられるって」

見ると恭平の勇敢な戦士は、いつのまにかかなりのピンチで、命のパワーも尽きかけていた。


「じゃーさ、手伝ってよ」

恭平がゲームを一時停止して振り返る。


「姉ちゃんたち、そこで見てんなら、こいつ倒すの参戦して」

恭平はそう言うと、テレビ台の棚からコントローラーをふたつ取り出してセットしだした。