青空の魔法

アミノの弟はオレを見て、手からコントローラーをポロリと落とした。

「あっ、弟です。恭平です。ども」

そう言いながら、すっくと立ちあがり、ペコリと頭を下げる。

ム、身長、負けてるかも。


「オレは武見友規。デカいな、何年生?」

「中2ッス。姉ちゃんの友達って、まさか男とは思わないからビックリした!」

恭平は、姉とよく似た素直な笑顔を見せた。


そこへアミノがグラスを三つ、トレイに載っけて運んで来る。

「おー、姉ちゃんにジュースを入れてもらえる日が来ようとは…」

なんて恭平がしみじみと呟くから、アミノに頭をチョップされていた。

トレイの面ではなく、ヘリでガツッと。ハハ。


それからアミノとオレはソファに並んで腰を下ろした。

正面にあるテレビの前では、恭平がフローリングにあぐらをかいて、ゲーム再開。

チラリと隣を見ると、アミノは楽しそうに恭平の興じるゲームの画面を眺めていた。