「そっちがリビングだから、適当に座ってて」

アミノはそう言いながらキッチンカウンターの向こうへ回り、冷蔵庫を開けている。

部屋続きのリビングはすごく広くて、やたら明るかった。

大きな窓一面に緑が広がる。


「家すぐにわかったぁ?」

まだキッチンに突っ立っているオレに向かって、大きな声でアミノが聞いた。

グラスに氷を入れる音が、何だか懐かしく響いてくる。


「うん。駅からほぼ一本道だったし」

道は一本だったけど、上下の起伏は激しかった。

すげーキツイ坂とかあって、その横には森みたいに木が生い茂っていた。


「あ、弟いるから」

リビングのテレビはゲームの画面になっていて、少年が一人床に座ってこっちを見ていた。

少年って言うか、中学生だよな、きっと。