青空の魔法

ガラリと自習室の扉を開けると、中はわりと空いていた。

アミノは窓際あたりに友達と陣取ったようだった。

オレはそれが見えない前のほうの席に着く。

アミノが目に入ると何となく気が散るから。


「はぁ…」


模試の順位を落としたことが、まだ頭の中に居座っている。

そんなことよりも、それぐらいでダメージを食らっている自分に驚いていた。


でもな、テストの出来は悪くはなかったんだ。

なのに順位が落ちたのは、オレの成績が下がったんじゃなく、他のやつらが上げてきたってこと。


中学入学以来、ずっとコツコツやってきた自分には、もうのびしろがないのかもしれない。

大学受験に向けて今からスパートをかけてくるやつらに、いずれ追いつかれて、追い抜かれる…。

そんな不安が、思考を支配していた。


普段なら勉強している最中が一番落ち着くはずなのに、今日はなかなか集中できない。

他人のシャーペンの音が、耳について仕方なかった。