青空の魔法

『どうかな、武見。ダメ?』

『ダメじゃないけど…なんでオレなの?』

『ん? 今思いついたからさ』

『あー…』

『じゃあ決まり』

『えっ』

断りそびれたオレの胸ポケットから生徒手帳を抜き取り、アミノはおしまいのページにスルスルと数字を書いた。

たぶんアミノのケータイ番号。


『あーオレ、ケータイ持ってないんだ』

戸惑いながら説明すると、アミノはいともあっさりとこう言った。

『いーよ、全然。もともと電話やメールで武見の勉強の邪魔をする気はないもん』

それからストンとオレの胸ポケットに手帳を戻し、にっこり笑って片手をあげた。

『じゃ、そーゆーことで』

そうしてオレの降りる一駅手前で、アミノは颯爽と電車を降りていった。



以来アミノはオレの彼女になったってわけ。

たったそれだけの話。