思わず、溢れだしてしまった本音。
同時に涙まで零れそうになって、それだけはダメだと手に力を込めて、必死に堪えた。
「会社に入ってから、7年間……たいして何かの役に立ったわけでもないし……っ。将来の明確なビジョンがあるわけでもない……。ただなんとなく、毎日同じ仕事をして、同じ道を歩いて帰って、同じことを繰り返してるだけなんです……」
「……、」
「デザイナーをやっている妹は、確かに仕事は忙しくて大変そうだけど、それでも夢を持って毎日頑張っていて。そんな彼女が、私にはキラキラ輝いて見えて。弟だって……部活で水泳部に入って、大会で良い成績を残そうって、毎日必死に頑張ってます」
「……、」
「それなのに、姉である私は何一つ、そんな風に夢中になれるものはなくて。いつもぼんやり、ああコレでいいか……って、安全な道を歩いてきて。今だって、日々をつつがなく過ごすことが当たり前になっていて、それに疑問を持つことすら無くなって……っ」
「……、」
「だから私は……っ。妹や弟や……社長みたいに、そんな目標や、ましてや夢みたいなことを考えられる立場にいないんです……っ。今だって、私ができる仕事は所詮、誰にでも出来るような仕事ばかりで、結局、私じゃなくたって―――」
「……俺は、そうは思わないけどね」
「……え、」
「日下部さんの仕事は、他の誰にも真似できることではないよ」



