焦れ甘な恋が始まりました

 


時には身振り手振りを付けながら。

その施設の実現を頭の中で思い描いて、心底楽しそうに話す社長を見ていたら……私まで、いつの間にか、夢中になって聞いていた。



「基本的には和食が中心で、月替りや週替りでフレンチやイタリアン、中華や、その他の世界の料理が楽しめる。そして、美味しいものをたくさん食べたあとは、そのままリラクゼーションチェアで好きな映画や本を読みながら寝ちゃう。起きたら温泉に入って、帰りに食材や既に出来てる料理を買って帰れば、家族も満足。
働く独身女性だって、仕事帰りに美味しいものを食べて温泉入ってから帰るか、そのままリラクゼーションチェアで朝まで寝ちゃって……朝、もう一度温泉入ってから美味しい朝ご飯を食べて帰る、なんてのもあり」


「それ……夢みたいな話ですね」


「うん。でもこれが、夢じゃなくて現実になるんだよ。俺達は、誰かの夢みたいな幸せを実現するのが仕事なんだ」


「――――、」



――――誰かの夢みたいな幸せを、実現するのが仕事。


社長のその言葉を聞いた瞬間、私はコメカミを力強く殴られたような気分になった。