未だ、開けられることのないハンバーガーを膝の上で握り締めながら。
隣で子供のように目を輝かせている社長の言葉に、一心に耳を傾けた。
「今ってさ、食品の産地偽装だとか異物混入だとか、そういうのが結構話題になるだろ。だけどそれって、それだけ食事というものに世間の注目がいっているからで……特に今の女の人は、水一つとっても、こだわる人が多いだろ?」
「確かに……軟水だとか硬水だとか、常温じゃないと飲まないとか、色々ありますよね。芸能人もテレビでそんな話をしてたり」
「そうそう、それでさ。そういうのひっくるめて……とにかく、食にこだわった施設を作って、本当の意味で“身体の中から綺麗に”。つまり……身体(からだ)スパをコンセプトにした施設を考えてて」
「身体スパ?」
「産地や品質に拘った食材を使って、美味しくヘルシーなものを一流のシェフが料理して……なるべくリーズナブルに提供する。そして、その食材は施設でも買えて、レシピや下処理の方法まで知ることができる」
「はぁ……」
「女の人は、家族の栄養士……って、言うだろ?でも、その栄養士にも休息や手抜きは必要だし、何よりその人自身が心も身体も健康じゃないと、本当の意味での美味しいモノは作れないと思うんだ」



