✽ ✽ ✽ 「はい、どうぞ」 「ありがとうございます」 海の近くで車を停めた社長は、品の良いスーツ姿には不似合いなファーストフードの紙袋を持って車を降りると、律儀にも助手席のドアを開けてくれた。 そんな社長にお礼を言いながら、先を歩く社長を追いかける様に私も車を降りると、一足先に階段に腰を下ろした社長の隣に、恐縮しながら腰を下ろす。 そんな私を見て「日下部さんは、ホント無駄に律儀だね」なんて。 面白そうに笑った社長は、紙袋の中から温かいハンバーガーを取り出すと、無骨に私へ手渡した。