下條さんの目を見てキッパリと告げれば、数回瞬きを繰り返した彼は突然片手で口元を抑えて目を泳がせた。
その反応に、今度こそ固まっていれば、そんな私を見て、やっぱり困惑に瞳を揺らす下條さん。
「……え、ちょっと待って。いや、ホント……いや、アレ?じゃ、じゃあ……あの、一番最初に貰った、料理は……」
「料理?」
「相手が突然出張になったせいで無駄になった料理……。アレも、ホントは陽くんに渡す予定じゃ、」
「……アレは、妹の蘭に渡す予定だった料理です」
「い、妹?」
「……はい。私、毎週月曜日に、忙しい妹のところに料理を届けてるんです。それで、あの日は妹が急に出張になったから……って。下條さんには、そのこと言ってませんでしたっけ?」
言いながら、今度は私が首を傾げる番だった。
確か、私、下條さんに言ったよね?
言ったから、下條さんには、過保護な上にシスコンだと思われても仕方ない……って。
それだけならまだしも、彼氏もいない寂しい奴だと思われたかもしれないと、私は思って……アレ?



