焦れ甘な恋が始まりました

 


このまま、ここで……本当に、時間を忘れていられたらいいのに。


明日からまた、いつも通りに仕事が始まるのかと思うと、今は、その現実が嘘みたいに思えて……少し、明日が来るのが嫌になる。


だって、明日からの会社には小出ちゃんはいないし……VENUSの仕事だって、オープン前のように密接に関わることもなくなるだろう。


……何より。

社長と会社で会えることも、話すこともなくなるのだと思ったら、寂しくて。



「っ、」



考えたら自然と、頬を伝って零れ落ちた涙の雫。


それはまるで、私の心が泣いていることを教えてくれているようで……


――――なんだ、私。

ホントは少しも、社長のことを諦められていないじゃない。


明日が来るのが嫌になるなんて、そんなの本当は、社長から離れることが辛いせい。


明日からは以前のように、大した関わりもない、社長と一社員に戻るのかと思うと悲しくて堪らないんだ。


……バカだなぁ、私。



「……っ、ぜんぜん、まだ、社長のこと、好きなままじゃない……っ」