焦れ甘な恋が始まりました

 



「……嘘、」



だけど、そんな風に諦めの気持ちと共に訪れたチャペルの前で、私は思わず声を漏らす。


開いていない、入れないと思っていたチャペルには灯りが点っていて、【ご自由にご見学ください】という立て看板が置かれていたのだ。


見れば、この結婚式場では挙式のない時間は、私のように結婚式に参列したゲストの見学用にチャペルを開放しているとのこと。


そうは言っても時間も時間だし、今日はもうあと少しの開放だろう。


心の中で、この奇跡に感謝をしながらゆっくりと、チャペルの中へと足を踏み入れた。


そして、そのまま真っ直ぐに歩を進め……一番大きなステンドグラスの前で足を止める。


……本当に、綺麗。

昼間の木漏れ日の差しこむチャペルも、とても素敵だったけど。


夜に包まれたチャペルも月明かりに照らされたステンドグラスが幻想的で、思わず時間を忘れそうになった。