突然の。思いもよらない叱責に、驚いた表情で固まれば、隣の小出ちゃんは先程の狩野くんからの電話の時のように眼光鋭く私を見た。
それに思わずたじろげば、盛大な溜め息を吐かれて、やっぱり天使のような姿とは裏腹に、小出ちゃんは今度こそマシンガンの如く口を開く。
「私が知ってる日下部さんは、おっとりしてるように見えて、仕事はめちゃくちゃ速くて正確だし、総務部だけじゃなく営業部からも凄く頼りにされてて、まさに会社の都合のいい女です」
「会社の都合のいい女……」
「仕事にはいつも真摯に向き合うし、他の誰もやらないような雑務までやったり、パートさんや後輩のフォロー、総務部長への気遣いも忘れない、あざとさの塊みたいな人」
「あ、あざとさの塊……」
「癒やし系な見た目と雰囲気で趣味は料理です、なんて、その他大勢の女から見たら、ポイント稼ぎもいい加減にしてよって感じこの上なくて」
「…………ポイント稼ぎ」
「それなのに本人は、そういう自覚は全くなくて。端から見たら不器用っていうか器用貧乏っていうか、宝の持ち腐れっていうか、ただの勿体無い人っていうか……」
「ど、どこからツッコんでいいか、」
「……でも。そんな日下部さんは、いつも自分に自信なさ気なくせに、いざとなると問題から逃げずに立ち向かう、そんな人です」
「っ、」
「そんな日下部さんを、私はずっと尊敬してたし、ずっとずっと大好きでした」



