……現真野社長も、こんなことになるなんて、少しも考えていなかったんだろう。
社長職から弾かれるかもしれないなんて……これから、向こうの会社はどうなっていくのか。
……なんて、そんなことは私にわかるはずもないし、私程度の立場で心配することも失礼に思う。
こんな風に同情している時点で、それも失礼な話だとは思うんだけど。
「……その話は、誰から聞いたの?」
的確な返事が見つからなくて、少しだけ論点をズラしたことを尋ねれば、『ああ、それはですねぇ』と、再び狩野くんの声が砕けて内心安堵の息を吐く。
『たった今、社長から聞いたんですよー!なんか、ウチの社員数人を、お客さんとして紛れ込ませてたらしくってぇ。社長ってば、スパイだなんて案外姑息なことしますよねぇ。でで、現真野社長の話は、真野会長かららしいっす。ねぇ、社長?って、全然、聞いてないしぃー!』
「えっ!?今、そこに社長がいるの!?」



