未だに困惑を滲ませた小出ちゃんの言葉を遮るように、前方で、マイク片手に笑顔で声を響かせたのは司会進行を務める幹事さん。
その人の指示に答えるように手を上げれば、隣の小出ちゃんが再び驚いた表情で私を見る。
「……今ので私、ビンゴだったみたい」
そんな小出ちゃんに苦笑いを零すと、ちゃっかりと前に出た私は、賞賛の言葉と共に景品らしきものを貰った。
そしてそれを手に持ったまま、再び小出ちゃんの隣へと戻って腰を下ろす。
「……話しながら、ちゃっかりビンゴやってる辺りが、日下部さんらしいです」
「だって、せっかくの二次会だもん。参加できることは参加しなきゃ?それに、見積書作りながら電話対応、これ、忙しい時の基本でしょ?」
私の言葉に「確かに……」なんて零した小出ちゃんを横目で捉えながら、たった今当たったばかりの景品の包装を解いていけば、中から出てきたのは一冊の本だった。
それを見て、首を傾げた私とは対照的に、目を輝かせる小出ちゃん。
「これ、私の好きな本なんです!幹事の子も好きだって言ってたから、景品の中に入れたんだ!うわー、これが日下部さんに当たったとか、なんだか嬉しい!」
「そうなんだ……これ、どんな内容の本なの?」
「んー。簡単に言うと、超イケメン社長と、料理が得意な平凡OLのオフィスラブです。お互い想い合ってるのに、すれ違いだらけで……読んでて、すごいヤキモキするんですけど。何より、イケメン社長が全然報われなくて、それが不憫なんですよねぇ」
「へぇ……」



