焦れ甘な恋が始まりました

 


「……ありがとう。行ってくるね。あとの仕事は、お願い」


「了解です。もし何かあれば、携帯に連絡させて頂きます」



その言葉を聞いてすぐ立ち上がると、私は総務部長に事情説明をしてからフロアを飛び出した。


高鳴る心臓は、不安からか緊張からか……もう、何が原因かはわからないけれど。


今はとにかく事態の詳細を知りたくて、そして……早急に対策を考えなければいけないと、その気持ちでいっぱいで。


……VENUSを、最高の形で世の中に送り出す。


頭の中で強くその言葉を繰り返しながら、私は真っ直ぐに、社長の待つであろう社長室へと向かった。