「午後の仕事のフォローは全てしておきますので、日下部さんは、こちらの仕事は気にせず、心置きなく行ってきてください」
「小出ちゃん……」
「さっきも言ったように、VENUSの成功は私の集大成でもあるんです。最高の形で、世に送り出したい。この気持ちは同じです。だから今私がやるべきことは、VENUS企画に関わっている上司のフォローをすることです」
キッパリと言い切ると、私のデスクの上に置かれた書類までもを自分のデスクに移した小出ちゃんは、私に強い目を向けた。
その目を見ていたら、なんだか本気で泣きそうになってしまって……慌てて、緩んだ気を引き締める。
ああ……もう。
私には、こんなに頼りになる後輩がいて……そして今、彼女が全力で私の背中を押してくれている。
入社当時からは考えられないくらい、本当に立派になった彼女。
私……この会社に入って、本当に良かった。
だって私は上司だけでなく……最高の後輩にも、恵まれたのだから。



