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「日下部さん、内線2番に下條社長からお電話入ってます」
「はい……って、え、社長から?」
「はい、社長からです。ご用件は仰ってなかったんですけど……」
小出ちゃんの結婚話から始まった火曜日。
お昼休みが始まる直前、突然社長からの内線を廻されて、私は理由を考える間もなく受話器を取った。
「……お電話、変わりました。日下部です」
『あ、日下部さん?ごめんね、急に。昨日の件で、少し提案したいことがあるんだけど、お昼休みになったら社長室まで来てもらえるかな?』
「はい……それは、大丈夫ですが……」
『良かった。それじゃあ、またあとで』
「え?あ、あの……っ」



